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アルバム名 Free Electric Band(EP盤)  
アーティスト Albert Hammond
リリース   1973年

生まれて初めて買ったレコードがこのシングル盤だった。1973年、当時TVやFMラジオで流れていたのは、沢田研二の「危険なふたり」、堺正章の「街の灯り」、麻丘めぐみの「わたしの彼は左きき」、浅田美代子の「赤い風船」など。そして毛色の違う井上陽水の「氷の世界」、かぐや姫の「神田川」、チューリップの「心の旅」等々。そんなオレ、14歳の思春期盛り。そして洋楽では、カーペンターズの「シング」、エルトン・ジョンの「ダニエル」、ミッシェル・ポルナレフ「忘れじのグローリア」、ジョン・レノン「マインド・ゲームズ」、アルバート・ハモンド「カリフォルニアの青い空」だった。そんな中で初めて買ったレコードがコレだったのが自分でも不思議。ちなみに初めて買ったCDは、パコ・デ・ルシアの『SIROCO〜熱風』 (1987年)。当時の情報源と言えば、土曜日の午後にオンエアされていたNHK /FMのリクエストアワー。当時駄々をこねて買ってもらったラジカセ「マックFF」でエアチェックを欠かせなかった。カセットテープはなぜか「maxell」。(のちにSONYのテープマニアになるのだが)当時から三沢基地から飛んでくるFENの電波を捉えて聴いていたなんて、そんな嘘は言えない。FMを聞くためにノイズが入らないように必死になってアンテナの向きを変えていたよ。このシングル盤を買ったのは、きっと「みんなが聴いている曲は買わない。おれはこんな曲も知っているだ!お前らとは違う!」そんなノリだったのかもしれない。
家族で90km弱離れた親父が勤めていた会社の保養所に向かう途中、ラジオから流れた「神田川」を聴いて「なんでこの歳になって親と旅行しなければいけないんだよ!」と神田川の世界に憧れを抱いていた頃でもあった。そして1973年9月25日にリリースされた「NSP FIRST」を聴いてギターに興味を持ち始める。でもきっかけはNSPだけではなかった。当時ギターを弾き始めたキッカケは、北海道から転校してきた隣に住んでいた同級生だけだったと記憶する。そして地元で唯一の楽器店精琴堂でアコースティックギターを買ってもらう。のちにジャパンヴィンテージギターと言われているフランプトンのSGギターもこの楽器店で購入。今更だが、オヤジに感謝、感謝!
ということで、1973年に出会った音楽が、その後の自分の人生を左右することになったのかも。幸か不幸か、音楽関係の仕事に関わって既に40年。あの時、このシングル盤を買わなかったら、NSPに出会わなかったら、オヤジにギターを買ってもらえなかったら、今の自分はなかっただろう。でもそんな出会いがなければ、もっといい人生を歩んでいたかもしれないけど(笑)

ということで、新カテゴリ「ルーツを遡る」を追加して、時々しみじみと振り返ってみようと思う。記憶が薄れる前に。