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アルバム名  REINCARNATION  
アーティスト 松任谷由実
リリース   1983年

ユーミンと言えば、当時は「恋愛のバイブル」&「OLの恋愛教祖」的なオーラを出しまくりだったが、時代はバブリナーな社会へと向かって行き、サウンドも徐々にそれっぽくなり始める。個人的にはアコースティックというより生なサウンドを好むため、打ち込みっぽい音は敬遠してしまう。そんなサウンドの変貌したのには理由がある。実は音楽業界で一世を風靡したYAMAHAのシンセDX7は、このアルバムがリリースされた1983年5月に発売されているからだ。それまではエレクトリックピアノのキラキラ系サウンドは、フェンダーローズが主流だった。ビリー・ジョエルの「素顔のままで」のイントロで聴くことが出来るほか、ボブ・ジェームスのアルバムやジョー・サンプルのアルバムでは定番の楽器だった。それがDX7の登場で、FM音源が主流のシンセにガラッと変わってしまった。アルゴリズムを選択して小さな画面に表示されるデジタルなパラメーターをいじくまわすのが当時のキーボードプレーヤーの日課となっていたと言ってもいいだろう。ちなみにキラキラ系のサウンドの他にもDXシリーズの“ピックベース”のパッチも定番音色だった。

まさに時代はアナログからデジタルへ。CD(Compact Disc Digital Audio)の発売が1982年。世界初のデジタル録音としてドナルド・フェイゲンの名盤『ナイトフライ』もそんな時代。

このアルバムで好きなのは「NIGHT WALKER」デジタルっぽくないからというのがその理由。そして相模川のことを歌っている「川景色」もなかなかいい曲。「夜空の誘惑」はストリングスとブラスセクションによるアレンジが最高。「埠頭を渡る風」っぽいと思っていたが、コード進行が似ているので仕方がない。間奏は「埠頭を渡る風」になる。
こんな感じ(笑)


さてそろそろユーミン特集も飽きてきたので、しばらくお休みするかも。