「Dark Side Of The Moon」Pink Floyd(1973年)

PF1973ある評論家は世界でもっとも売れた(売れている)ロックアルバムかもしれないと言ってます。まさしく一家に1枚の必聴アルバムでしょう。
作品は主にロジャー・ウォーターズが作っているのですが、生きていく上で狂気から逃れることができないのではというテーマを元に書かれています。

A面:心臓の鼓動から始まる「Speak To Me/Breathe」、そしてひとが闇の中を駆け回る「On The Run」、時計のベルがけたたましくなる「Time」へ。静寂がおとずれ、徐々に女性ヴォーカルが盛り上がり、再び静寂へむかう「The Great Gig In The Sky(邦題:虚空のスキャット)」

B面:レジスターの音で始まる「Money」は最も聴きやすいロック調の作品。サクソフォンのソロからギターソロへの盛り上がりは最高です。奥が深すぎる歌詞の「Us And Them」ココでもサクソフォンのサウンドがいい味を出しています。温かみのあるMoogシンセの音色が心地よい「Any Colour You Like」、デイヴギルモアのストラトの音色、アルペッジョ、後半の壮大なコーラスが聴ける「Brain Damage」、そしてこのアルバムの最後の曲となる「Eclipse」になだれ込んでいきます。

これらの曲の組み合わせがまったく見事というしかありませんね。今の時代に聴いてもまったく古さを感じないし、色あせていない理由はこの曲の構成にあるのでしょうね。もう最高のアルバムです。


余談:このアルバムをリリースする前の1971年にピンクフロイドは来日し、今では伝説となっているロックフェスティバルに参加しています。
1971年(昭和46年)8月6・7日、場所は神奈川県箱根芦ノ湖畔、成蹊学園乗風台特設ステージで行われた箱根アフロディーテという野外イベントです。フライドエッグ(ギター成毛滋、ドラムスつのだひろ、ベース高中正義)の出演の他、モップス、山下洋輔トリオ、渡辺貞夫クインテットなどが出演しました。ピンクフロイドは赤い鳥、尾崎紀世彦などとメインステージで演奏しています。山々にかかる霧をバックに、ピンク・フロイドのサウンドが完全に芦ノ湖畔に溶け込んだライブはもはや伝説です。