talking book「まだ小学校の5,6年生だったと思う。欲しかったラジカセもステレオも買ってもらえず日々悶々としていたぼくに。知人の大学生が突然ラジオをくれた。使い古しのボロボロだった〜」そんな解説ではじまる再リリースされたCDのインナーノーツに思わず、「俺も…俺も…!」って共感してしまった。感受性が豊かな時期に、このアルバムにめぐり会えたのは幸運だったと思う。
「 You Are The Sunshine Of My Life」はその当時、どんなコードを使っているのかまったく理解できなかった。名曲「Superstition」ではイントロに流れるクラヴィネットの音を聴いて「どんな楽器?」そんな具合で「?」マークだらけだった記憶がある。
9曲目の「Looking for〜」ではジェフベックがギターで参加しているのは有名。のちにジェフベックが「B.B.A」で「迷信」( Superstition」)をヒットさせるのであるが、実はスティービーがこのアルバムで取り上げる前から、ジェフ大先生はステージで演奏していたらしいのです。なので先にCD化してしまったスティービーに大激怒!したという逸話があります。
もう一つスティービーに関するおもしろ話をご紹介しましょう。亡くなった作家影山民夫さんがラジオのパーソナリティをやっている時に、リスナーに「今度、スティービーのコンサートに行って楽屋まで押し掛けて、なにか記念になるものをいただいてくる」とお約束するのです。
コンサート終了後に日本から来たジャーナリスト?のインタビューということで、快く楽屋に招いたスティービーは影山民夫さんのインタビューをうけるのですが、影山さんはリスナーとの約束は果たさなくては…と頭の中はいっぱい!!インタビューを無事に終えて、さあ、どうしようと困っていた影山さんの目に一本のハンガーが目についたのです。「コレだ!!」幸いにも周りには誰もいない。しかもスティービーは目が不自由なので、かなり悪い気はしたものの、この機会をのがしたらリスナーとの約束を果たせない。そして、ついにそのハンガーを手に取り、楽屋を出ようとした時、スティービーがポツリ、
「よかったらサイン入りのハンガーをあげるよ!!」とひと言!! ブラボーです☆☆☆☆☆☆